あまりの状態のひどさから、ほとんど職場へ行かなくてもよいことにはなったものの、だからといって決して楽だったわけではない。
特にきつかったのは、睡眠時間の確保だ。肌の痒みが深夜に訪れるため、このころは普通に夜に寝れない状態になっていた。
医師に相談すると「そりゃそうだ。今の君(厳密には君の肌の状態)は普通の人と逆(昼夜逆転)になってるからね。肌の温度が下がる朝方に寝るようにするといい」と言われたので、この頃は毎日、夜遅くまで起きていた。(もちろん、それ以外の時間でも眠いときは寝るようにした)
また、医師からシャワーを含む入浴をしないよう指示されていた。シャワーによって肌がさらに乾燥し、痒みが増すということだった。最初は不衛生な感じがしてとても気持ち悪かったが、本当に痒みが減るので、最低でも1週間はお風呂に入らないようにしていた。(とはいえ、手足や陰部だけは毎日洗う)
しかし、肌の入れ替わりはどうしても1ヶ月程度はかかってしまうので、すぐに治るものでもないし、入れ替わりのペースが通常より早い(肌が薄いから)ので、家にいてもポロポロ落ちる。自分の部屋に1時間もいれば、フローリングが落屑だらけになっていた。
家の中で、ただ通過するだけの廊下やリビングでも、白い粉がいっぱい落ちていたので、毎日何度も掃除機をかけていた。落屑はダニにとって最高の栄養源らしいので・・・。
自分の部屋に来る子供にも「お父さんのお部屋はお肌がいっぱい落ちてて汚いから来ないで」と言い続けていたら、リビングとかで「お父さんのお肌落ちてるよ!」と言われたり、自分の体を見て「お父さんのお肌ボロボロでいやだよ〜早く治ってよ〜」と言われたりしていた。
そんなこんな、一日中体を掻きむしっている状態で治るのか・・・と心配ではあったが、過ごすこと約1ヶ月で、少しずつ改善が見え始めてきた。
相変わらず肌はボロボロだったが、このぐらいから普通に夜に寝れるようになってきた。朝起きたらシーツにものすごい肌が落ちていたが、とにかく睡眠時間を確保できるのはありがたい。
そして、この睡眠時間がしっかりと確保できるようになってからは、回復が急速に進むようになった。それから2週間ぐらいで、人目につく部分(顔や腕)のカサつきがだいぶ減り、人と顔を合わせることに少しずつ慣れてきた。仕事にも少しずつ行くようになり、周りからも「良くなってきたね」と言われるように。
今では、だいぶ痒みも肌の落屑も減ったので、通常どおり仕事に行っている。
今回、きつかった時期は6月〜9月の3ヶ月程度だが、あらためて健康の重要さを思い知った。健康状態が良くないと、何をするのも億劫で、物事に対してとても悲観的になってしまう。
ちょうど夏の時期で、例年なら子供とプールに行ったりするのが一つの楽しみだったが、プールどころか、買い物にすらほとんど一緒に行かなかった。それぐらい人の目があるところに行くのが嫌な状態だったのだ。
週末は自分がゆっくりできるようにと、妻は子どもたちを連れて毎週のように実家に帰ってくれていたので、今年の夏はほとんど家族と過ごせなかった。
健康であれば当たり前のようにできることが、できない。まだ完全に治っているわけではないが、「体が資本」であるということを痛感した3ヶ月間だった。
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